グラフィックさんのホワイトプリントを試してみた!の巻

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みなさまこんにちは。
なんだか久々に印刷のお話です。

おかげさまでただいま好評発売中のDぼうカレンダー2019ですが、完成に至るまでの試行錯誤の中で、毎度お世話になっております印刷のグラフィックさんにて、ホワイトプリントなるものに初挑戦してみました!

けっきょく最終的にはDぼうカレンダーはふつうの4色印刷にしたんですが、このホワイトプリント、うまく使いこなせばとても効果的に洒落乙に仕上げることができそうなので、いつかの機会にまたぜひやってみたいと思いつつ、忘れぬようにレポートいたします!


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印刷通販のグラフィック/https://www.graphic.jp/lineup/whiteprint/card.php





ホワイトプリントとはその名のとおり、白いインクで印刷するというものです。
Dぼうカレンダーを例にしますと、黒い紙を背景に白文字の数字やイラストを配置して、黒板に白ペンで描いたような感じにする!というのが今回のできあがりイメージでした。

ふつうに白い紙を黒で塗りつぶしてもよいのですが、これだとどうしても断裁面に紙の白が見えてしまいます。
今回のコンセプトはいろんな形に自由に変形できる!というのもあったので、何度も折ったり曲げたりしていると印刷がはげたり折り目の表面が裂けてきたりで、これまた紙色の白が出現してしまうというおそれがありました。
これがホワイトプリントの場合だと、もともと黒い紙に印刷するので裏も表も断裁面も全て黒、紙が裂けてきても現れる紙の色も全て黒!ということで、とても美しい仕上がりになる!はずなのです!!


ホワイトプリントのデータのつくりかた例
左:ホワイト版1、中:カラー(CMYK)版、右:ホワイト版2
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ホワイトプリントのデータのつくりかたは、慣れないとちょっとややこしいかもです。
CMYKの4色をきれいに発色させるためにいちばん下に敷く白インクの版(左)、CMYKの4色で印刷する版(中)、白インクで印刷する部分の版(右)、というようにデータを3つの版に分ける必要があります。
単純な絵柄だったらコツさえつかめばそんなにたいしたこともないんですが、今回は12ヶ月ぶんのイラストがいろいろと込み合っているため超難関脳トレのような作業でございました!


色校正のススメ
そしてようやくデータが完成したところで、今回は色校(本紙校正)を出してみることにしました。
長年の経験のおかげでいつもはぶっつけ本番でもほぼイメージどおりの仕上がりにできてたんですが、今回はちょっとキケンかも、、、というなにやら予感がしたので念のため。
ホワイトプリントはお値段もかなりするし、大量に刷ってみて失敗だったというわけにはいきませぬからな!

色校は紙のサイズが菊四(469×318mm)と決まっておりまして、A4に面付けしているDぼうカレンダーだとちょうどふたつぶん入るので、左が作成したとおりの本番データ、右側に別バージョンを試すためのデータというふうにして並べて入稿してみました。
ちなみに別バージョンというのは、下に敷く白インクを無しにしたりグラデ入れてみたりで上にのる色がどう見えるか違いを試したい、みたいなことです。

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色校来ました〜〜!!
グラフィックさんは配送がいつも安心と信頼のヤマトさんなところも気に入っています。

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おお〜〜いいかんじ!!
洒落乙なカレンダーができそうな予感がします!


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さっそく組み立ててみた。
断裁面も紙色の黒で予想どおりにきれいです。
紙も厚手でかなりしっかりしていてキリッと立ってくれています。
ちなみにこの紙は B&B P 265kg。

ただちょっと気になるのは発色でしょうかね〜〜。
とくに白をきれいに発色させるにはもうひと手間加えねばということが判明しました。
うっすら紙の黒や下に刷った色が透けるので、1版だけでは真っ白というわけにはいかないようなのです。


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1月のところを見るとわかりやすいかも。
富士山の雪の部分は下地の白の上にさらに白を重ねているのでわりと濃く白が出てますが、その横の雲は1版のみなので紙色の黒が透けています。
また、富士山に重なった部分の数字は下の金色が透けてしまっていて、真っ白にするにはこの部分はCMYK版で白ぬきにしておかねばならなかったということも発覚。

2月の2も下地に白を刷っていないので黒が透けて発色が弱く、ピンクのチョコボールは重なる部分をCMYK版で白抜きにしておかなかったのでこれまた透けてしまっています。

ということで、真っ白にしたい部分は下地の白を印刷した上にさらにもういちど白インクで刷る!という2度刷りが必須のようですね。
ずれがちょっと心配かもしれないけど、グラフィックさんの印刷で版ズレが気になったことはいちどもないし、あまりにも繊細な図柄でないかぎり大丈夫な気がしてます。


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そんなこんなで、白を濃くしたいところを全て修正し、いよいよ本番の印刷データを入稿!と思ったんですが、最終確認のため色校の上に自宅のプリンタで出したカンプを乗せて見比べていたところ、カラー部分の発色もだいぶ弱いのが気になってきました。
左がというか下が本紙校正の色校紙、右のというか上の1〜4月がカンプ。
なんだかこっちのが鮮やかできれいなんじゃないか!?

ちなみにプリンタはOKIのCOREFEED。
自宅に置くにはぎりぎりゆるせる大きさだけど、印刷品質は優秀だし気に入ってます。

そして丸一日ぐらい悩みました結果、白インクで2度刷りしたとしても真っ白とまではいかず、紙の色が黒と言いつつも真っ黒ではないゆえにコントラストも弱まりがちだし、ビビットな濃い印刷が好みの作者としては、やはりこれだとちょっとものたりない!ということで、けっきょく今回はホワイトプリントは断念し、いつもの4色印刷でお願いすることにいたしました。
あ〜〜ここまで長かった!

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おまけで申し上げますと、紙が厚すぎて折り目がすぐにこのようにもわもわになってしまうことも今回のコンセプトに向かないのでは、というのもありました。
もわもわになっても黒ってとこはいいんだけどね〜〜〜。

ちなみにこれは色校別バージョン側のやつで、5月の5の後ろのさくらんぼは下に白を刷らないとどうなるか?という実験バージョンだったんですが、ごらんのようにほとんど見えないという結果になっています。
白版をグラデにした場合も20〜30%程度ではほとんど変化はわからず、やるなら0から100%ぐらいの思い切ったグラデを敷いたほうがよいということも学習いたしました。


4色印刷で完成!
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刷り上がり来ました〜〜!!

紙はヴァンヌーボVGスノーホワイト195kg。
白はほぼ数字部分のみですが、背景の黒100%とのコントラストが効きまくりではっきり見やすくできました。
カラフル部分も発色よし。
理想どおりの仕上りに大満足です!
グラフィックさん今回もありがとうございますーー!!



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ところでこの後の行程、断裁・スジ入れ・梱包は全て自力です。
スジ入れはふだんのカンプとかではカッターの刃の背とかでやっちゃってたんですが、商品だし傷つけるわけにもいかないので専用のスジ入れヘラというものを初めて購入。

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ハンズの製本用品のコーナーにありました。
裁縫用のヘラやルレットなどで代用しているひともいるようですが、ふだん裁縫はほとんどしないもんね。

しかし専用の道具というのはすばらしいです!
インクや紙が削れることもなく、印刷屋さんでスジ入れしてもらったかのようにキレイに入ります!!
もっと早く買えばよかった〜〜〜!!

リーブル プラスチックヘラ

価格:723円
(2018/10/19 17:18時点)


というわけで、Dぼうカレンダーは今日もせっせと断裁スジ入れ梱包されているところです。
よろしければDぼうショプ各店にてごらんくださいませ。

<Dぼうカレンダー☆2019 取扱ショップ>
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下北沢ダイアモンドヒーロー https://bicribaco.exblog.jp/238798832/

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タワー型に組み立ててみたの図。
心配していた断裁面の紙色は気になるほどではなさそうです。
折り目は何回もやりすぎると印刷がハゲて紙色が出てくるので注意!ですね。


というわけで、今回は残念ながら実現しなかったホワイトプリント。
ちなみに印刷可能サイズは、名刺サイズ〜A4まで、紙は3種類(B&B P、ミランダ黒、モダンクラフト)から選べます。
DMやショップカードや名刺などなど、ひと味違う演出にはもってこいだし、ぜひまた何かの機会に挑戦してみたいですね〜〜!
そのときはまたグラフィックさんよろしくお願いいたします〜〜!




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by bicribaco | 2018-10-19 19:31 | 紙・印刷 | Trackback | Comments(0)
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